
下記のいくつかを複合併用し、安全で美味しいワインを作ろうとする方向性を持つ葡萄栽培家、醸造家、またはその両方を兼ねる人々
| 方法(単語) | 解説 | 内容 | 補足(詳細) |
|---|---|---|---|
| ヴァン・ナチュール(仏) | いわゆる自然派生産者が造るワインの事 | ||
| サステイナブル・アグリカルチャー(英) | 特にアメリカで行われている「循環農業」の考え方のこと。環境保全に気を配るとともに、地域社会への責任をも果たし、そして経済的に実現・維持可能なものであり、葡萄栽培に限らず使用されている言葉。 フランスにおける「リュット・レゾネ」に近いようだ。 |
地球環境全体の保全、そして人間の発展と福祉の問題を一緒に考えること。一般には人間を中心に考えがちな農業も、本来は、地球全体の環境を踏まえて、地球上の生き物全ての福祉について、現在そして将来へとその福祉を確約できるような考え方で行う農法。ナパやソノマ、またオレゴンは多くが循環農法を取り入れている。 | 太陽光発電、水のリサイクル、鷹・鳶・小鳥やコウモリを保護し、これら小動物による害虫駆除など。 ★著名なカリフォルニアの生産者:シェーファー・ヴィンヤード、リッジ・ヴィンヤード、ヴァイン・クリフなど多々ある。 |
| リュット・リゾネ(仏) | 有機農法やビオロジックの理論を踏襲するが、現状の畑や周囲の畑の状況、またその土地の持つ特殊状況などを鑑みて、最低限度の化学農薬(除草剤など)を利用する農法。 | 土着の害虫がいたり、周囲の自然環境によってどうしても除草剤などを使う必要がある場合などを指す。 | |
| ビオ(略) カルチャー・ビオロジック(仏) バイオロジカル・アグリカルチャー(英) |
無化学農薬栽培 | 化学肥料の不使用 | 自然と畑のテロワールを守る。べト病対策のボルドー液(硫酸銅溶剤)とうどん粉病対策の硫黄散布は認められている。 |
| 農薬の不使用 | 殺菌剤・殺虫剤・除草剤などの不使用 | ||
| 土を踏み固めない | 土壌のために有用な微生物・動物の存在を利用し、その土地の特徴を壊さない 例:ロマネコンティでは耕作に馬を使う |
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| 野生(天然)酵母の使用 | その土地についている酵母を使用する | ||
| ミミズの効用 | 土壌の通気効果、土壌改良効果、土壌の肥沃化など | ||
| 酸化防止剤、合成保存料の不使用ないし制限 | (*1 無水亜硫酸塩など) | ||
| 特別な温度管理をしない | たとえば低温処理をしない | ||
| 補糖、補酸、清澄、ろ過しない | AOC法により認められていても行わない | ||
| 完熟した葡萄を使う | 収穫量が下がる事を覚悟 | ||
| 有機農法 | 化学肥料を使わないことはもちろんだが、有機肥料を用いて作物を育成する農業の事。 各国で認定機関がある。 AB(アグリカルチャル・ビオロジック) エコ・サール(エコロジー・サーティフィケート)では厳密な調査のうえ、3年間以上を無化学農業栽培を行っている申請者にマークの使用を許可している。周囲の畑の状況もチェックされるという。 |
考え方、方法は、ほぼ「ビオ」と同じである。 | 有機というのは生活機能を持つこと(もの)。近年まで植物は有機物をそのまま吸収すると思われていた。しかしドイツの科学者リービッヒは植物の栄養はすべて無機物で吸収されることを発見。植物が生長するのに必要な成分は無機物で、無機物は、微生物が落ち葉や動物の死骸、フンなどを分解することによって作られる。この理論から「化学肥料」が生み出された。こうして直接「無機物」である科学肥料を使用せず「有機物」を肥料の元として施し、地中の生物により無機化して肥料とする方法を言う。 |
| オーガニック・ワイン | 有機農法で栽培したブドウを使用し、ソルビン酸やメタカリなど化学的酸化防止剤、合成保存料などを使用せずに醸造したワイン。 | 硫黄を燃やした気体を吹き込むことだけが許されている。その量もEUの通常ワイン(1リットルあたり赤160ミリグラム、白210ミリグラム)の半分以下であり、日本の厚労省基準(1リットルあたり350ミリグラム)の1/4以下。 | |
| ビオディナミ(仏) バイオ・ダイナミックス(英) |
オーストリアの哲学者、神智学者(のちに人智学へ転向)であるルドルフ・シュタイナー*が提唱した農学論の根幹理論の事。ビオロジックの考え方を前提とし、土壌と天体(月や宇宙など)のエネルギーのやり取りを活性化させることで植物の質的向上を行う。 プレパラシオンの利用と、天体運行に従った農作業を行う。生力学農法とも言う。 ヴィオディナミの認証団体「デメテール」には40カ国、3500が参加している。 *シュタイナーは「農業」の為に人智学を提唱したのであって、ワインの為にビオディナミを提唱した訳では無い。彼はアルコールが嫌いだったという伝聞もある。 |
満月時の収穫 | 満月の時は地下からエキスを吸い上げやすいのでブドウの収穫にいい |
| 新月時の澱引 | 新月の時は澱が沈みやすいので澱引きによい | ||
| 汲みあげポンプ不使用 | 引力に逆らってポンプでくみ上げることをしない | ||
| 月の荷重を利用した瓶詰 | 瓶詰めは月のカレンダーに従い一番重力のかかった時に行う | ||
| プレパラシオン使用 (堆肥の制作や畑に直接撒く自然調合薬剤) |
牛の角に詰めた牛糞 牛の角に詰めた水晶の粉 鹿の膀胱に詰めたノコギリソウ 牛の腸に詰めたカモミール イラクサの葉と茎を腐葉土にする 家畜の頭蓋骨に詰めたオークの樹皮 カノコ草の花びらを搾った液体肥料 |
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| ワインの保存法 | 保存温度14度以下にする。SO2無添加であり、高温の場所に置くと望ましくない乳酸菌(15度以上で活動を始める)などの活動を押える | ||
| ワインの飲み方 | デキャンターに移して、還元的な香り(硫化水素)を飛ばす | ||
| ★ビオディナミ生産者 | 信者とも言える熱狂的な生産者(ニコラ・ジョリー、マダム・ビーズ・ルロワ、クリスティーネ・サース)も多いが、全く科学的な意味がないと主張する生産者がいる事も事実。 | ||
| 酵母 | 葡萄果汁を発酵させる元になるもの 酵母菌は自然界の中に存在し、特に果物の果皮には天然(野生)の酵母菌が付着している場合が多い。 ワインの場合は発酵はもちろん、最終製品の「香り」や「酸味」などにも影響が出る。 「自然酵母」「野生酵母」を使っても上記「自然派」とは直接の結びつきは無く「自然派」でも安定した培養酵母を使うケースが多いと聞く。 |
野生酵母(自然酵母) | 自然界に普通に存在している酵母の事。発酵に問題は無いが、ワインになった場合の香りなど全く予測が付かず管理が難しい。はまった場合は「産地のテロワール」を表現してくれる。 |
| 培養酵母 | 生産者や共同組合の研究所などで自然酵母を培養し販売しているもの。製品になった時の予測がしやすく、アンプルなどに入っているため管理もしやすく、何時でも入手可能。 |
※1)酸化防止剤や合成保存料
伝統的には硫黄を燃やした気体(SO2)を樽に充満させていた。
現在は直接二酸化硫黄(SO2)を樽に入れることが多い。
我が国ではメタ重亜硫酸カリウム(粉末・通称メタカリ)。
この薬品をワインに加えると液体中で化学反応をおこし、亜硫酸塩になり、ワイン全体に行き渡る。
ソルビン酸、アスコルビン酸などビタミンC系溶剤
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