眠れる映画界の巨匠の創作意欲を目覚めさせたのは、一遍の小説だった。
『ゴッドファーザー』3部作、『地獄の黙示録』と映画界に偉大な功績を残しながら、長年、映画の撮影現場から離れていたフランシス・フォード・コッポラ。当時、66歳にしても映画創造に対して欲求不満だったという彼は、幻想文学の鬼才、ミルチャ・エリアーデが円熟期に著した“Youth Without Youth”(若さなき若さ)に出会い共感、直ぐに映画化を決意する。それが『レインメーカー』以来、10年ぶりとなる監督・脚本の『コッポラの胡蝶の夢』だ。
パーソナルな映画づくりの原点に戻るべく、ハリウッドから遠く離れたルーマニアで撮影された今作。音楽は『耳に残るは君の歌声』のオスバルド・ゴリホフ。その他当時の才能を多く起用し、国際色豊かなスタッフ・キャストが顔を揃えている。
「若返った」一人の男を通じ、
摩訶不思議な世界へと誘われるヨーロッパ幻想奇譚
第2次世界大戦前夜。言語学者のドミニクは、自身の研究もたった一度の会いも成就せず、孤独な人生の末路をむかえていた。自殺を決意した復活祭の日、彼は落雷に直撃される。即死と思われたが奇跡的に一命をとりとめた彼の肉体と頭脳は驚異的に若返り、さらに人類の理解を超える超常的知能を発揮する。その謎をめぐって時代の黒い影が忍び寄る中、彼はラウラに生き写しの女性ヴェロニカに出会うのだが・・・。































