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スペインワインの原産地
スペインワインの原産地
国名 : スペイン共和国
首都 : マドリード
面積 : 756,950km2

スペインワインご購入

 スペインワインの歴史と概要
紀元前1100年から500年にかけて、現在のスペイン東海岸を支配していたギリシャ人、フェニキュア人たちは、祖国からブドウとワイン醸造技術を持ち込み、スペインにおけるワインの基礎を作り出しました。更に紀元前100年頃には、ローマ人がイベリア半島を支配するようになり、より新しい技術を持ち込み、ワインの品質を向上させました。
4世紀後半には、ゲルマン民族の台頭により、支配者が変わりましたが彼らはローマのワイン造りを継承しました。しかし、7世紀に入り、イスラム教徒が入りこむと、イスラムの教えに基づき、飲酒を禁じた為に、ブドウ園は衰退し、ワインの発展は大きく妨げられました。

イスラム教徒に支配されたイベリア半島では、征服直後からキリスト教徒によるレコンキスタ(国土回復運動)が始まり、11世紀後半ごろから北部に次々とキリスト教王国が誕生し、キリスト教が広がるとともに、ブドウ畑も再興されていきました。そして15世紀末には大航海時代が幕開けとなり、スペインはいち早く大海に乗り出し、世界各地に植民地を持つ大国になりました。

15世紀の大航海時代の幕開けとともに、スペインワインは世界各国に広まり、特にイギリスとのワイン公益は膨大な金額になりました。19世紀後半にはヨーロッパ全体がフィロキセラ被害を受けました。スペインもフランスから入ってきたこの害虫に大きな被害を受けましたが、生産者たちはこれも乗り越えて、またフランスから高度な醸造技術も導入し世界有数の生産国となり、現在に至っています。

 スペインの気候
北部は海洋性で比較的雨が多く温暖、南部は大陸性の気候で雨が少ない草原地帯、東は地中海性気候でやや乾燥した気候になっています。絶え間ない陽光が降り注ぎ、ブドウの育成には大変適した土地といえます。

 スペインのブドウ品種
スペイン固有の地場ブドウ品種が中心です。固有品種は下記のとおりですが、同じ品種でありながら呼び名が異なるものもいくつかあります。また国際品種も多く栽培されていますが、地域によっては原産地呼称の基準により栽培していない品種もあります。

 白ワイン用白ブドウ品種

アイレン Ailen  ラ・マンチャで多く生産される
パロミノ Palomino  全土で生産、特にヘレス地方ではシェリー酒となる
ペドロヒメネス Pedro-Ximenez 甘口シェリー酒にむく
ベルデホ Verdejo  芳香が強く滑らかで腰の強い白ワインの代表的ブドウ
マカベオ Macabeo  別名ビウラ、辛口白やスパークリングに向く
チャレッロ Xarel-lo  スパークリングに向く
モスカテル Moscatel

 赤ワイン用黒ブドウ品種
ガルナッチャ・ティンタ Garnacha-Tinta = グレナッシュ 代表的赤ワイン向け品種
カリニェナ Carinena = マズエロ 
テンプラニーリョ Tempranillo = センシベル 繊細で高貴な品種

その他シャルドネ、カベルネなどの国際品種も生産されている。

 スペインの代表的産地

 北部地方
リオハ Rioja
1991年にスペイン初のDOC=特選原産地呼称に認められた地域です。南西にあるデマンダ山脈が夏の熱波を遮り、北の山脈がビスケー湾から吹き寄せる冷たい北西風から守り、四季を通じて平均して雨に恵まれるため、夏の暑さは厳しくなく、冬も穏やかな気候が特徴です。

リオハのワイン産地はラ・リオハ州、バスク州アラバ県、ナバーラ州の3つの地区にまたがり、またブドウ栽培地としては、リオハ・アルタ、リオハ・アラベサ、リオハ・バハの3地区に分かれています。

リオハ・アルタはエブロ河の右岸と左岸の一角にあり、起伏が多く、鉄分の多い粘土質や沖積土の土壌で、ボディ、そして高い酸度をもつ熟成向きの赤ワインが造られます。リオハ・アラベサはエブロ河の左岸、バスク州に属するアラバ県にある地区で、ブドウ畑も南向きの高い斜面上にあります。土壌は粘土質と石灰岩で、色濃く、香りが豊かで、果実味の素晴らしい、若飲みタイプから熟成向きタイプまでの赤ワインが造られます。リオハ・バハはリオハの中心部にあるログローニョの東側にある地区で、エブロ河の両岸にあり、ナバーラ県の町村も含まれます。山脈から遠ざかるために、そのほとんどは平地。ほかの2地区に比べ、地中海性気候の影響をより受けるため気温も高めで、アルコール度の高いロゼと赤ワインが造られます。

リオハのブドウ栽培の約75パーセントを赤ワインが占めています。主力は高貴品種のテンプラニーリョでリオハの6割近い面積を占めています。一般的には、リオハの赤ワインはこのテンプラニーリョを主体に、ほかの黒ブドウがブレンドされますが、最近テンプラニーリョのみを用いるなど、単一の品種によるワインも登場してきました。なお、国際品種となるカベルネ・ソーヴィニヨンは一部の特例を除き、使用を認められていません。

 ナバーラ Navarra
ピレネー山脈からエブロ河沿いの渓谷まで、なだらかに広がる緑の草原、人影もまばらな大地に位置するナバーラ。その地名はバスク語で「山々に囲まれた平原」に由来するとも言われています。冬はピレネー山脈からの冷たい風が吹き、夏は暑くなり、乾燥した大陸性気候ですが、春と秋は温暖で、ブドウの生育に充分な降雨量があります。
ナバーラは、ロゼワインの産地から赤ワインの重要な産地へと大きく変わりました。長いあいだ、隣の産地、リオハの名声に隠れた存在で、ガルナッチャを主体としたロゼワインの産地と見なされていました。そこで1980年代に、生産者たちは国際市場で認められる赤ワインを造ろうと、国際品種を取り入れることを検討し、試験栽培・醸造の結果、これらの品種が原産地呼称の認定品種に認められるようになりました。これまでの主要品種ガルナッチャに代わり、テンプラニーリョやカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培が増え、また生産量の過半数を赤ワインが占めるようになっています。

 ソモンターノ Somontano
ピレネー山脈のふもとに、ソモンターノ(山麓という意味)があります。ワイン産地としてはほとんど知られていませんでしたが、1988年に原産地呼称が認められてから活性化して、州内外から大きな投資と最新技術が導入され、国際市場を強く意識した新しいスタイルのワインの開発が進められてきました。このため、原産地呼称ワインに認められているブドウ品種も固有種に加え国際品種が認められています。ソモンターノはスペインのなかの「ニューワールド」と呼ばれ、海外からも称賛されています。

 アラゴン Aragon
一足早く、国際市場に躍り出たソモンターノの影響を受け、同じアラゴン州の他のワイン産地でも業界再編成が始まりました。アラゴンの中でも1930年代に原産地呼称を獲得したカリニェナは昔リオハやヘレスと並ぶスペインの銘醸地域でした。1990年代に入り、一時内戦で荒れていた畑も復興し、ワイン産業復活が始まり、品質向上、生産量・輸出量の増加と過去の栄光を取り戻しつつあります。

 カンポ・デ・ボルハ
DOナバーラと接し、魅力的なロゼとガルナッチャを中心とした赤ワインの産地です。他にはブドウ栽培の限界ともいえる海抜900メートルに達する場所にあるカラタユドなどがあります。地元原産のガルナッチャをベースにした若飲みワインの他、テンプラニーリョを加えた熟成タイプの赤ワインが造られるようになってきました。樹齢の古いガルナッチャが豊富にありコスト・パフォーマンスに優れたワインが造られるのもこの生産地の特徴です。

 バスク地方
非常に雨が多い地域なので、日本と同じ棚つくりでブドウは栽培されます。バスク地方にあるチャコリ・デ・ビスカヤではオンダリビ・ズリ100%から造られる酸のしっかりしたフレッシュな白、そして少量の赤が造られています。チャコリ・デ・ゲタリアでは畑が海に面して北向き斜面に作られており、栽培量の85%を占めるオンダリビ・ズリからフレッシュな白ワインとオンダリビ・ベルツァから赤が造られています。これらのワインは微発泡ワインです。

 地中海地方
ペネデス Penedes
バルセロナの南にあるビラフランカ・デル・ペネデスを中心に広がる産地で、ローマ人の足跡が色濃く残り、古くからブドウ栽培とワイン造りが行われてきました。カバの中心的な産地として有名だったペネデスが、スティルワインの産地として生産が本格的になったのは1970年代に入ってからです。トーレスなど一部の革新的で著名な生産者が、新しいスタイルと高品質なワイン造りに挑戦を始めました。このため、スペインでいち早くステンレスタンクや温度調節装置を導入するなどの醸造所の近代化や低温発酵、酵母の改良、オークの新樽による発酵や熟成、瓶熟成の重視など、技術の革新をほかの産地に先駆けて行いました。また、ブドウ畑では積極的に国際品種や新栽培方法を取り入れるなど、さまざまな投資が行われました。

 プリオラート Priorato
プリオラートの名前は昔からカルトゥジオ修道院が造る高いアルコール度の、濃厚な色と風味をもつ赤ワインがワインで有名でした。しかし、アルコール度の高い安価なワインの需要が減り、しばらく衰退の一途をたどりました。しかし1980年代後半に外部から新しいワイン造りに情熱を傾ける人々が集まり、従来からある樹齢の高いガルナチャとともにカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロやシラーをブレンドし、濃厚かつ洗練された新しいスタイルの高品質なワインが造られるようになったのです。これらのワインは世界を驚かし、改革を進めた生産者は一躍スター醸造家となりました。ブドウ畑はごつごつとしたスレート状の岩の険しい斜面にテラス状に切り拓かれています。開墾が困難で限られた面積のブドウ畑、低い収量、手間ひまとコストのかかる醸造方法などの結果、プリオラートのワインは比較的高価ですが、同時に高品質の赤ワインを生む話題の産地として、注目を浴びています。

 フミーリャとイエクラ

 フミーリャ
この地は以前から低価格の日常消費用ワイン産地でした。1980年代末になって、この地域にフィロキセラ禍が発生し、ブドウ畑の多くが改植を余儀なくされたことがきっかけで、ワインの品質向上のためにブドウ栽培の改善が始まりました。
この地域のブドウはほとんどが地元原産のモナストレルで、これに加えカベルネ・ソーヴィニヨンが認定され、大きな潜在性をもつモナストレルを主体とした、品質の高い、独自の個性をもつワインの産地へと大きく転換してきました。

 イエクラ
イエクラはフミーリャに隣接し、スペインで唯一、ひとつの町からなる原産地呼称です。フミーリャ同様、大陸性気候で、やはりモナストレルを中心にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロを用いて、良質な熟成タイプの赤ワインが造られるようになり、知名度も上がっている産地です。

 バレンシア地方 Valencia

 アリカンテ
1990年代に醸造設備や技術投資が行われ、内陸部では地元品種のモナストレルなどのほか、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーなどの国際品種を用いて造る新しいスタイルの高品質ワインが次々に登場しました。またモスカテルの甘口デザートワインが登場し、海外へも輸出されるようになってきました。

 ウティエル・レケーナ
バレンシアの西、内陸に入った台地上を中心にワイン産地が広がっていますが、あまり知られた産地ではありませんでした。この地域の固有品種ボバルが全体の75パーセントを占め、この品種とともにガルナチャをブレンドして造られるロゼワインや赤ワインがあります。また近年テンプラニーリョの栽培が奨励されるようになりました。

 リベラ・デル・ドゥエロ
1982年に原産地呼称に認定されたリベラ・デル・ドゥエロはいくつかの県にまたがリ、ドゥエロ河に沿った東西約120キロのあいだに広がる大きな産地です。地形は河の両側に高い丘が平行して連なる渓谷で、ブドウ畑は河に近い平地から丘陵の斜面に位置しています。
大陸性の気候の影響を強く受け、夏は暑く乾燥しますが、夜には気温が下がり、冬には凍てつくような厳しい寒さが訪れます。ブドウ生育期間中の暑く乾いた天気のおかげで完熟した素晴らしい品質となって収穫されます。
土壌は白亜質の石灰岩を中心に、ドゥエロ河のそばでは沖積土と砂質が多くなります。これらの土壌により濃厚な色合い、深みのあるアロマ、しっかりとした骨組み、豊かな果実味とそれを滑らかに感じさせてくれる酸味など、複雑で凝縮されたリベラ・デル・ドゥエロの赤ワインを生み出すもととなります。

 ルエダ
ルエダは1980年に白ワイン、そして2002年の改正で赤ワインとロゼワインも原産地呼称に認定されました。海抜600〜780メートルにある中央台地上のなだらかな起伏の土地にブドウ畑があります。ドゥエロ河が運んだ沖積土や石灰粘土質、砂質、砂岩と粘土質などの土壌で、気候は典型的な大陸性です。

 トロ
ドゥエロ河流域のなかで最も西側に位置するトロは1987年に赤、白、ロゼが原産地呼称に認定されました。テンプラニーリョと同種の黒ブドウはトロで独自の個性を持つようになりティンタ・デ・トロと呼ばれます。ティンタ・デ・トロを最低75パーセント使用することが義務付けられている赤ワインは濃厚な色、凝縮された果実味ですが、1990年代後半に、リベラ・デル・ドゥエロの著名な生産者などが投資をするようになり、濃縮さはそのままに、しかし洗練された品質の赤ワインが造られるようになり、あっと言う間に熱い注目を集めて、世界的にも有望視されるようになりました。


 ラ・マンチャとバルデペーニャス
スペインの中央に広大なラ・マンチャとバルデペーニャスのDOがあります。
メセタ上の大平原にあるラ・マンチャは、スペインの原産地呼称のなかでも最大の栽培面積と生産量を誇るワイン産地です。極端な大陸性気候にあるこの土地で最も多く栽培されてきたブドウ品種が、世界最大の栽培面積をもつ白ブドウのアイレンです。近年、最新の醸造技術を駆使して、マカベオとブレンドすることによって、新鮮ですっきりとした風味の新しいタイプの白ワインが造られるようになってきました。

 リアス・バイシャス
スペイン北西部にあるガリシア州は大西洋の影響を受け、雨の恵みによって緑濃い自然をもつ土地です。湾に深く切り込んだリアス式の海岸線、緑に彩られた険しい山岳と渓谷の内陸部は、スペインのほかの地方とは異なる景観をもちます。
近代的な発想のもと、ブドウの徹底した品質管理、最新式の醸造機器と技術を導入して、フレッシュでフルーティなスタイルのワイン造り、高級ワインとして販売するためのマーケティングなどが地域ぐるみで進められ、「スペインで最も上質な白ワインの産地」という名声を確立しました。この地ではペルゴラと呼ばれる棚式で栽培が行われています。

 ヘレス
正式のDO名はヘレス・ケレス・シェリー・イ・マンサニーリャ・サンルカール・デ・バラメーダJerez-Xeres-Sherry y Manzanilla-Sanlucar de Barramedaと長く、一般にはヘレスまたはシェリーと呼ばれています。
酸膜発酵、ソレラ・システムなど、独特の熟成製法によって、シェリー種は世界的にも一世を風靡し、特に英国では高い人気があります。発酵が終わるとワインの品質によっていくつかのタイプに選別されます。

 フィノ 
最も普通のシェリー。辛口で食前酒に最適ですが、もちろん食中にも問題ありません。発酵時に酵母に覆われ、あまり空気に触れない為、透明に仕上がり、独特の風味が付きます。

 マンサニージャ  
「サンルーカル・デ・バラメダ」という町でしか造れないフィノタイプのシェリー。気候の違いにより、酵母が通年安定して付いているので、フィノとは 一味違う軽やかさとキリッとした風味があります。        

 アモンティリャード  
フィノに付いていた酵母が無くなった、もしくは意図的に無くした物にさらにアルコールが添加され、空気に触れることによって酸化熟成したものです。
フィノより空気に触れる時間が長いため、色は褐色。アルコール度数が高めで、食中、食前酒として人気があります。

 オロロソ  
発酵の過程で酵母が発生しなかった、または意図的に付けなかった物で、通年空気に触れることによって酸化熟成されます。また、酵母が無いため、腐敗防止の為にアルコール度数が高められています。
なめらかな口当たりで、ブレンドによって甘口にされることも多く、食中、食後にお薦めのタイプです。

 ペドロヒメネス、モスカテル
甘口のシェリーは「ペドロヒメネス」種と「モスカテル」種という白ブドウから造られ、ブドウの名前がそのままシェリーの名前になっています。ブドウを天日干ししてから発酵させるので糖度が高く、 酒精強化しなくてもアルコール度数が高まり、酵母なしで酸化熟成していきます。
熟成されたものは黒蜜のような香りと味を持ち、デザートワインに最適です。

甘口、辛口以外の「クリーム」、「ミディアム」などの種類のシェリーは、組み合わせによって造られ、それぞれの組み合わせにより生み出される特徴のハーモニーを楽しむことができます。