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国名 : ドイツ連邦共和国
首都 : ベルリン 面積 : 357,021km2 |
ドイツのワインの起源は古代ローマにさかのぼります。紀元前100年頃にこの地を征服した古代ローマ人たちは、故国からはるか離れたこの地でブドウ栽培を始めました。 西暦476年に西ローマ帝国が崩壊すると、欧州各地のブドウ産地と同様に、教会や修道院によってすばらしいブドウ畑と名醸ワインが数多くつくられるようになりました。 その後ナポレオンが占領して、教会からブドウ畑が分離されましたが、その後もブドウ畑は隆盛を続け、ワインの名声も維持されました。 19世紀末頃から、ドイツのワイン作りは学問的な見地から研究が進みます。主たるブドウ産地であるライン地域やモーゼル地域は、地理的に北海道よりはるか北に位置し、 ブドウ栽培の北限にあるといえます。この環境下でドイツのワイン造りは絶え間ない品種改良と醸造技術の進歩、そしてそれを積極的に取り組んでいくことによって発展をとげてきました。 特にこの地で造られる白ワインは酸味とコクが絶妙のバランスを保って、世界に類のない魅力的なものとなっています。 ドイツのワイン生産地の年間平均気温は、イタリアのトスカーナ地方とほぼ同じ約10度であるという事は、あまり知られていません。北緯50度付近に位置するにもかかわらず、暖かい海流、メキシコ湾流のおかげで、温暖で気候的に恵まれています。 現在多くの著名なブドウ畑は南に面した斜面の川のすぐ近くに作られます。川の水が熱を反射して、気温を安定させる働きをしているのです。秋には水面から立ちのぼる霞や霧が寒さからブドウを守る働きもしています。 ドイツには、やわらかい日差しの中で長い時間をかけて、じっくりと栽培されている様々なぶどうの品種があります。生産地域の違いだけではなく、このぶどう品種の豊富さがドイツワインをより深いものにしています。 リースリング = 伝統的な品種、偉大な高貴品種 ミュラー・トウルガウ (リヴァーナー) = バランスのとれたオールマイティ品種 シルヴァーナー = マイルドな酸と土の香り ルーレンダー (グラウブルグンダー) = 重量感のある辛口品種 ヴァイスブルグンダー = 柔らかな芳香と香ばしいアロマ ショイレーベ = 繊細なブーケ ゲヴュルツトラミナー = スパイシーさと薔薇の香り シュペートブルグンダー (ピノ・ノワール) = 口当たりの柔らかい伝統的赤ワイン品種 ドルンフェルダー = 果実味と温かい味わい ポルトギーザー = 調和のとれた上品な香り トロリンガー = 早熟な軽口ブドウ レンベルガー = 濃いめの色調で南国の味わい ドイツワインは、爽やかな酸味とほのかな甘味のバランスが身上となっていますが、それは ズースレゼルヴという製造法に負うところが大きいといえます。 発酵後のワインは通常、残糖をほとんどなくして完全に辛口にしています。辛口以外のタイプ のワインを造るために、瓶詰直前に自然のままの甘い未発酵のブドウ果汁を加えることが許されています。 この未発酵のブドウ果汁がズースレゼルヴと呼ばれ、もとになるワインと少なくとも同じ品質、できれば同じ品種、同じ産地のものでなければなりません。 このように、同じ辛口のワインから甘口、中甘口、中辛口などタイプの異なるワインを造ること ができるのです。 ドイツでは収穫時のブドウの成熟度、すなわちブドウ果汁の糖度「エクスレ度」によって、 ワインの品質特級を決定します。ブドウの糖分が高いほど上級化し、値段も高くなります。 これは、格付けというよりも飲用の用途に分けられると考えることができるでしょう。 収穫時の成熟度は品質等級としてラベルに表示されます。 ドイツワイン法によって定められた品質等級は、先ずターフェルワイン(Tafelwein)と クヴァリテーツワインの2つに大別されます。 1・ ドイチャー・ターフェルワイン(Deutscher Tafelwein) Deutscher Tafelweinの表示のあるワインはドイツ国内産の醸造用の許可または推薦品種のブドウから造られたワインである必要があります。 (EU諸国からのワインをブレンドした場合は、EUターフェルワインとして輸出されます)。 最低アルコール度数は8.5%、総酸は4.5g/l以上となっています。日常食卓用ワインです。 [義務的記載事項] ・ Deutscher Tafelwein ・ 容量 ・ 瓶詰場所 ・ 輸出品はドイツ産の表示 ・Weisswein (白ワイン)Rotwein (赤ワイン)Roseewein (ロゼワイン)Rotling (赤と白ブドウを混合して発酵させたロゼ色ワイン) 2・ ラントワイン(Landwein) ラントワインはドイチャー・ターフェルワインの上位にランクされるワインで、アルコール度数も 0.5%以上強く、その生産地域の特徴をもっていることが必要です。 それぞれ地方的特色をもつ19の地域で造られ、地域名で呼ばれます。 また、必ず辛口か半辛口に仕上げられています。お茶代りまたは日常食卓用ワインです。 3・ クヴァリテーツワイン(QbA) ドイツワインの中でも最も大きな部分を占める、品質等級を管理されたワインです。 13の限定生産地域(特定ワイン生産地域)で造られ、その地域の特色を持ったものでなければ なりません。ラベルには後述の公的認定番号(A.P.Nr)が記載されます。 4・肩書き付高級ワイン(QmP) クヴァリテーツワイン・ミット・プレディカート)は補糖を一切認めない13の限定生産地域から の高級ワインです。 特定ワイン地域よりさらに細分したベライヒ(Bereich)産のもの、つまり、ブレンドする場合 も同一ベライヒ内のものに限られます。ブドウ収穫時の成熟や、ワインの製造法などの検査内容はQbAより厳格になり、次の6つの等級が認められています。 ・カビネット(Kabinett) 最低エクスレ度は地域とブドウ品種によって違いますが、モーゼル のリースリングで67度、ラインガウで73度など充分に熟したブドウから造られるワインです。 一般にプレディカートワインの中で最も辛口で、食事と一緒でも、ワインだけでもおいしく 飲める上品で軽いワインです。 ・シュペートレーゼ 平常の収穫期より遅らせて摘んだ、遅摘みの果実から造られるワイン です。風味と濃度が一段と高いワインですが必ずしも甘口であるとは限りません。 豪華な食事に合いますがワインだけでも大変おいしい高級品です。 ・アウスレーゼ(Auslese) 遅摘みの中から充分に完熟した房だけを選んで造られます。 気品に溢れ、成熟した香りと味を持ち、全体に甘口です。特別 な集いの時などに最適です。 ・ベーレンアウスレーゼ(Beerenauslese) 貴腐ブドウ果粒やもしくは完熟粒から造られるワイン。 最高品質の円熟味を備えた甘口のデザートワインです。 ・アイスワイン(Eiswein) 氷結したブドウを摘み、凍った水分は除いて造るワイン。 ベーレンアウスレーゼと同一のエクスレ度であることが必要です。 果実に含まれる酸味と甘味が濃縮された、新鮮で独特の味わいのある最高級のワインです。 ・トロッケンベーレンアウスレーゼ(Trockenbeerenauslese) 乾燥してひからびた貴腐ブドウ の粒選りで造ったワイン。貴腐現象がおこらなくても、ブドウが完熟して、乾燥して ひからびた果粒でも使用することができます。 芳醇で、蜂蜜のような香りのする極甘口の最高級ワインです。 5・公式品質管理検査 クヴァリテーツワイン(QbA)またはクヴァリテーツワイン・ミット・プレディカート(QmP) は3段階の品質検査を受けることを義務付けられています。 この検査に合格すると「公的認定番号」(A.P.Nr)が与えられ、この番号はラベルに表示され なければなりません。 ドイツワインは前述の品質等級と産地の組み合わせによって成り立っています。同じ品質等級 でも産地によってワインは異なるし、同じ産地でも幾つかの品質等級のワインがあることになります。 ドイツのワイン法ではブドウ栽培地域として13地域を指定しています。 この地域内の気候や地理的条件は場所により非常に大きく異なりますので、他の国々よりそのワインの原産地がどこにあるかが重要です。それぞれの土地における生育条件の差が、ワインに大きな多様性を持たせているからです。 そして、各地域はベライヒ(Bereich)と呼ばれる39地区に分割されます。 各地区はいくつかの町村からなっていますが、約160のグロスラーゲ(Grosslage)と呼ばれる集合畑、さらにまた、約2600のアインツェルラーゲ(Einzellage)と呼ばれる単一畑に細分化されます。 (単一畑からのワインの方がより個性的と言えますが、ブドウ畑や醸造家によりかなりのバラツキがあります。) 集合畑および単一畑の名称は、通常地区内の町村名に-er をつけた後に続けて表示します。 (ラベルを見て、単一畑なのか、集合畑のワインなのか、ある程度の知識がないとわからない点がドイツワインの理解を妨げている一因でしょう。) 一般的に、北寄りの地域で造られたワインは軽く、果実味があり、よい香りがし、さわやかな酸味があります。一方、南寄りの地域で造られるワインはこくが一層豊かで、成熟した果実味があり、時には強力な風味をもっています。しかし酸味は柔らかで口当たりが良いのが特徴です。 1・ラインガウ(Rheingau) ラインガウ地域のブドウ栽培面積は約3,300haで、約80%はリースリングです。 ドイツワインの中でも最も高級なワインの生産地で、世界でも最高峰の産地の1つです。 北側をタウヌスの連山に守られ、南側はライン河に接してブドウ畑が広がっています。 恵まれた気候と理想的な土壌によってリースリングは完璧なまでに成熟し、洗練された芳香の、 酸味の強い、気品あふれる最高級ワインを生み出します。 著名な醸造元には鷲のマークのシュタインベルガーを産す国営醸造所、シュロス・ヨハニスベルク、ロバート・ヴァイル家などがあります。 2・ モーゼル・ザール・ルーヴァー(Mosel-Saar-Ruwer) モーゼル・ザール・ルーヴァー地域のブドウ栽培面積は、約12,500haで、約55%がリースリングです。モーゼル川とザール川、ルーヴァー川に沿った地域で、急斜面にブドウ畑が展開しています。 この地域のワインはグリーンびんに詰められていて、香りが豊かで色は淡く、軽いコクと果実味 のある強い酸味が特徴で、しばしわずかな発泡性が感じられることがあります。 ヴィルティンゲン、ベルンカステル、ピースポート、ヴェーレン、グラーハ、ツェルティンゲンなど ワイン造りで有名な村々があります。著名な醸造元には、エゴン・ミュラー家、シューベルト家、プリュム家、ターニッシュ家などがあります。 3・フランケン(Franken) この地域のブドウ畑は約6,100ha、ヴュルツブルグを中心にマイン河とその支流の両岸の斜面に あります。フランケンワインは、ドイツワインの中で最も「男らしい」ワインで、コクが強く辛口で 引き締まった味で土味があるのが特徴です。 また、ボックスボイテルと呼ばれる扁平な瓶に詰められています。著名な醸造元には、ビュルガーシュピタール、ユリウスシュピタール、ホーフケラーなどがあります。 4・ラインヘッセン(Rheinhessen) ヴォルムス、アルツァイ、マインツ、ビンゲンの4つの市を結ぶ四角地帯のこの地域は、 ドイツ生産地域の中で最大の面 積(約26,500ha)を占めます。 マイクロ・クライミットと土壌の多様性に富んでいるため、多くの種類のブドウが植えられています。ここのワインはマイルドで口あたりがよく風味豊かで、昔から名声を得ていました。 また、ラインヘッセンは、ソフトで芳醇な白ワイン、リープフラウミルヒ(Liebfraumilch)の発祥の地でもあります。 5・プファルツ(Pfalz) この地域はライン河の西にあり北をラインヘッセン、南と西をフランスにかこまれた風光明媚な土地に80キロの長さにわたってブドウ畑(約23,700ha)が広がっており、最多の生産量 を誇るワイン生産地域です。 北部にあるヴァッヘンハイム、フォルスト、ダイデスハイム、ルッパーツベルクなどの村々の力強さと洗練さを合わせもったリースリングワインで有名です。 6・その他のワイン生産地域 a.アール(500ha) b.ヘシシェ・ベルクシュトラーセ(470ha) c.ミッテルライン(650ha) d.ナーエ(4,600ha) e.ヴェルテムベルク(11,200ha) f.バーデン(16,200ha) g.ザーレ・ウンストルート(450ha) h.ザクセン(310ha) |

