オーストリアワインの歴史と概要 全世界のワイン生産量の1%を担っているのがヨーロッパの小国オーストリアです。 オーストリアのワインの歴史は紀元前800年に遡り、当時の古墳でブドウが発見され、紀元前400年にはケルト人やその祖先がブドウの栽培と簡単なワイン醸造が行われていた事がローマ時代の歴史書から読み取れます。 当時のオーストリアは現在と気候が多少異なっていて、ブドウ栽培に大変適し、各地で葡萄栽培・ワイン醸造が行われていたそうです。 この地に進攻し、属国化を果たしたローマ軍は自国ローマ(現イタリア)のブドウ栽培者とワインを守る目的で、西暦90年頃にオーストリアでのブドウ栽培を禁止しました。 この栽培禁止令はおおむね200年間続き、プロープス皇帝によって令が解かれて、ワイン造りを奨励してから本格的にブドウ栽培とワイン醸造が始まりました。 これによりプロープス帝は「オーストリアワインの父」と呼ばれています。 また、現在日本ではオーストリアを「オーストリー」表記を広げる為に大使館などが活動しています。 産地 ブドウ栽培地区はオーストリアの東部・東南部に集中しています。 4栽培地方に分類されていますが、その多くは多くはニーダーエースタライヒ州 ブルゲンラント州の2地域に集中しています。 ブドウ品種 オーストリアは、伝統的に白ワイン生産国ですが、最近赤ワイン醸造が増加し、現在は約23%の栽培面積が赤ワイン用ブドウに占められています。新規の植付けに関しては、黒ブドウ品種が比較的多く植えられ、今後は全体の30%にまで拡大する見通しです。 多くはオーストリア固有品種ですが、一般的な欧州種も造られており、特に近隣で気候の似ているドイツの品種は固有種に次いで栽培されています。 白ワイン用品種(固有種) グリューナー・フェルトリナー ノイブルガー ムスカット・オットネル 赤ワイン用品種 (固有種/欧州種) ブラウエル・ポルトキザー ブラウフレンキッシュ ツヴァイゲルト ワイン法と品質分類 1985年、オーストリアは世界的なワイン・スキャンダルに揺れました。一時は輸出がほとんどゼロに近い状態にまで落ち込んだのです。 オーストリアのワイン関係者は、これを機に世界一厳しいワイン法を造り、栽培家・醸造家たちは努力を重ね、今日、世界に誇れるワインを供給できるようになりました。 基本は原産地の管理、ヘクタール当たりの収穫生産量の制限、品質等級と品質管理で、分類は大きく分けて以下の3等級があり、それぞれ基準が異なります。 ターフェルヴァイン クヴァリテーツヴァイン プレディカーツヴァイン 細かい等級分けは、KMW=クロスターノイブルガー・モストヴァーゲで表示される果実の糖度で決まります。 ※ KMW:15KMWは果汁1キロに15%糖分が含まれています。 クヴァリテーツヴァイン以上については、国によって成分分析ときき酒の二種の検査が行われ、ラベルの国家検査番号と赤白赤のシールが、この厳しい品質管理検査に合格した証しとなっています。 またシュペートレーゼ以上のワインには補糖禁止、完全発酵、ズースレゼルブ禁止が義務つけられています。 詳細 ターフェルヴァイン : 10.6度KMW以上 ラントヴァイン : 14度KMW以上 クヴァリテーツヴァイン : 15度KMW以上 カビネット : 17度KMW以上 シュペートレーゼ : 19度KMW以上 アウスレーゼ : 21度KMW以上 アウスレーゼ以上のワインは、その等級に準じて、 過熟、貴腐ブドウ果実の比率が高くなります。 ベーレンアウスレーゼ : 25度KMW以上 アウスブルッフ : 25度KMW以上 トロッケンベーレンアウスレーゼ : 30度KMW以上 アイスヴァイン : 25度KMW以上、果実が収穫時圧搾時に凍った状態でなければならない。 シュトローヴァイン : 25度KMW以上、最低三ヶ月以上ワラもしくはヨシの上で干した、もしくは紐でつるし て空気乾燥させた果実から造られたワイン。 産地の特徴 産地は4つに分類され、さらに16の地域に分かれています。ここでは重要な地域を紹介します。 ニーダーエースタライヒ 東北部に位置し、全土の約60%のブドウを産出しています。グリューナー・フェルトリナー種やリースリングから造られる白ワインは世界的にもた高い評価を得ています。また地域南部では赤ワインも多く造られています。 ウイーン 産地であり、消費地でもあるオーストリアの首都です。ウイーンの森と呼ばれる地域で産出する新酒(ホイリゲ)は有名です。 ブルゲンラント ハンガリー国境に接した広い地域で、約35%を生産しています。近年ブラウフランギッシュ種などから多くの赤ワインが造られ注目されています。世界のワインファンがウォッチしている産地です。 ノイジードラーゼー湖の周辺では甘口のアウスブルックも造られています。 シュタイヤーマルク スロヴェニアと接する地方で、白ワインが大勢を占めています。またそのほとんどは輸出用でなく、国内消費に向けられている並級ワインの産地です。